昆虫星人と少年

 うわーっ大変だーっ!少年が虫のでっかいのに喰われちゃいそうだー!
あのはさみみたいな手で、首をちょん切られちゃうんだー! 
なんて話では全然なくて、これは長いあいだ戦争をつづけてきた異質な生命体どうしがついに理解し合えた瞬間なのです。しかし、その時すでに、地球人の最終兵器は昆虫星人の星を崩壊させつつあったのだ。
 という場面ですが、これはオースン・スコット・カードのSF小説「エンダーのゲーム」の設定です。
 ただ小説にはこんなシーンはなくて、昆虫型生命体も、人間の子供くらいの背丈で、黒光りしているという描写だったと思います。
 つまり小説そのまんまじゃなくて、カッチョよく言えば、インスパイアされた、普通に言えば、雰囲気だけ真似した、というところでしょうか。
 「エンダーのゲーム」に大変感動した私はその後、エンダーシリーズをはじめ、たてつづけにカードの小説を読みあさりましたが、SF界では人気作家であるカードの翻訳書はけっこうあって、その上長いものが多く、なかなか大変な日々でした。
それはさながら「カード地獄」といった状態でした。うふふ。

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