二匹の刺客 |
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その後夢を果たし天下人となった秀吉。 |
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それぞれの思惑で秀吉を討とうと狙う者は引きも切らなかったが、秀吉の巧妙な政策により、軍を率いて攻めかかる力を持つ者は無く、もっぱらその手先として使われるのは「忍び」と呼ばれる者たちであった。 |
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暗雲たれ込める太閤の居城。 |
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「嘘であろ〜」 「まことじゃぁ〜 拙者の兄嫁の従兄の幼なじみが伏見で見たのじゃ」 「お釜と言うと飯を炊くあのお釜か?」 「そうじゃ、あのお釜じゃ。そのお釜をふたつこう合わせたような形で、色は黄金色に輝いていたそうじゃ。それがふわふわと伏見城の向こうに隠れたかと思ったら反対側からまた出てきて、あろうことか…」 |
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「むっ、今の音は?」 |
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「……… |
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「嘘であろ〜」 |
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「お、また鼠じゃ。最近鼠が多すぎると思わんか?」 |
「どうされた?」 |
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「何か踏んだでござる」 |
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「これは…」 |
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秀吉はこの後、62歳で病死したとされているが、そのころには、秀吉の居城はどこもかしこも鼠だらけだったという。 |
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