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「お、お師匠様、それはまことでございますか?」 |
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「すべて生ける物は、自らの業によって定められた命を生き、それが尽きれば死に、また生まれ変わり、生き、死に、その繰り返しである。お前たちも今は猿と豚として生きているが、前世は別の生き物として生き、来世は来世でまた別の生き物として生きてゆくのだ。これを輪廻転生という」 |
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「お、おいら鯉とか鼠に生まれ変わるのはいやだな。また豚か、でなきゃ、に、人間がいいな。お師匠様、どうすればいいでしょうか?」 |
「ばぁか、お前が人間になれるわけないだろ、お前は、そうだな、フンコロガシなんか似合いそうだぞ」 |
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「フンコロガシ!フンコロガシはいやだぁ。お師匠様、どうすればいいんでしょう?」 |
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「おいらフンコロガシになるんなら生まれ変わらなくていいや」 「何を申す。生まれ変わらずとも、現世の行いによっては地獄へ堕ちることもあるのだぞ。それでもよいと申すか?」 「じ、地獄、でございますか。それはどのようなところでございますか?」 |
「うむ。現世で悪行、つまり無益な殺生、盗み、嘘、不道徳な情事などを繰り返した者は、死後の審判で地獄行きを申し渡される。 「チクチク、でございますか?」 「チクチクのあとは皮を剥がされる。ゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりペロペロペロ、ペロペロペロ…」 |
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「お、お師匠様、もうたくさんでございます。 |
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「むふふん。もうひとつ。 「そ、そのごくらくとやらへはどのようにいたるのでございますか?」 「豚には無理だ」 |
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「あはは、あはは、豚には行けねぇってよ豚には」 |
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「極楽への道は、ふふ、現世で果てしなく輪廻を繰り返し、そのたびに善行を積み重ねてきた者にだけ開かれる。ふふ、つまり、んふん、私のような者だな」 「は、はぁ」 |
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「極楽はいいぞー、極楽は。ふふふふん。 |
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そしてその道を行く者、うん、つまり私だな。んふ。私の心には一点の苦しみ、悩み、曇りも無く、晴れ晴れとしている。 |
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「輝く道を晴れ晴れと進んでゆくと、やがて、黄金に輝く大きな門が見えてくる。 |
娘たちは虹色に輝く着物を身に着けているが、その下には何も身に着けていないのがわかる。うふん。 |
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「なぜ透けて見えるのでございますか?」 |
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「私を乗せた騎馬は腰帯の娘たちに突進する。その時には騎馬の娘たちの着物もはだけておる。こんなふうに。んふふはだけたまま突進する騎馬娘。うふ。いろんなところが揺れている。いろんなところがゆれているよぉっ!」 |
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「おお、そんなところをそんなふうに、おお、おお、そこもここも娘たち娘たち、んふ、んふふふふ、おちんちんがおちんちんが、むくむくしてきたぞ」 「お師匠様ぁっ!」 |
「もうお酒はおやめなさいましっ!」 |
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「お師匠様、おやめください!猿のアニキが死んでしまいます!」 |
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翌朝。 |
「うげぇ、うげっ、うげげぇ」 |
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