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長安を出て372日目。 |
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「うふっ …うふふふ。… いや〜ん。そんなところを触ってはなりませぬ」 |
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「おかしなことを。私は手綱をとっているだけだよ」 「うそでございます。ほらまた」 |
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「よいではないかよいではないか」 「なりませぬなりませぬ」 「よいではないかよいではないかよいではないか」 「なりませぬなりませぬまりませぬ、 |
「あら、うふふん」 |
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「はぁ〜…なにやってんだろうなぁ、お師匠様は。 |
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「お師匠様、新しくこちらのお方に旅のお供に加わっていただこうと思っているのですが、よろしゅうございますか?」 |
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「ご快諾いただきありがとうございます」 |
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「はっ。お時間が許されれば、今後の旅のためにお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」 「ふわ〜ぁあ。まぁ、かまわないけどねぇ」 「はい。 |
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「……ま、ん。いいでしょう。 |
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「えっ!日の出って?! 俺、ちょっと朝に弱くて、血圧がひ…」 |
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「それから、午前のおやつ、昼食後の昼寝、 午後のおやつ。これらはすべて廃止とします」 |
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「ええっ!? おやつも食べないで歩くなんて、おら…」 |
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「でもあんた、それじゃ、一日中歩きっぱなしってことにならないかい?」 「当然です。旅ですから。 「そんなおおげさな…」 「よろしいですか?片道30年、往復で60年ですよ。加齢による体力の衰えを計算に入れればそれ以上の年月を必要とするでしょう。 「まぁ、そりゃあねぇ…」 「そうでございましょう。一緒に天竺へ参りましょう。そして、お経を持って、長安へ戻りましょう」 「そ、そうだねぇ」 「それから、お師匠様が連れている娘。あれとはこの村で別れていただきます」 |
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翌朝。 |
「さあ皆様の旅の第二章のはじまりです。元気を出して参りましょう。この一歩一歩が天竺へつながるのです。大願成就への一歩一歩なのです。はい!いちにいちに」 |
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「お前らみたいな腐った奴ら、千年経っても天竺になんか着けるもんかぁぁぁっ!! |
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「やれやれ、ずいぶんな言われようだねぇ」 |
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