2006.6.4



「え?猿と?豚?猿と豚をお供に?天竺?天竺ぅ??」


「そうなんですよ。それがまたリアルな夢で」

「夢とはいえ独特な発想だよなぁ、
猿と豚って。なんでお坊さんなの?」


「何言ってるんですか、
これって河童が出ないだけで西遊記そのままじゃないですか」


「さい、…何?」


「え?西遊記ですよ。孫悟空の。」

「…そんご…? なにそれ?」





「え……」


「豚と猿と河童とお坊さん…。いえ。知りません。アニメですか?子供番組は見ないので」

「……」


「えー?天竺にお経を取りに?知らねぇなぁ。 
でもなんでお経で人が救えんの?」


カタ  カタカタ カタカタカタ 

カタ  カタカタ カタカタカタ   
カチッ 



……

カタタ  カタタタ カタカタカタ

カチッ  


カチッ

カチッ

カチッ



ここは…


西遊記が存在しない世界なんだ。






「おい」

「…」


「おい」

「あん?」

「本隊から離れすぎだぞ」

「サル相手になにビビってんだよ。
俺たちゃ、無敵の機動歩兵じゃねぇのかよ」


「おい、どこ行くんだ」

「サル狩りに決まってんだろ。怖いならそこで待っとけ」


「おい待て、このへんはあの金色のやつが目撃されてるんだぞ」

「だからだよ。その金色のやつを探してンだよ、俺は。
俺が狩ってやるよ、その金色のやつを」

「おい!おい!」






































「なぁにが金色のやつだよ。みんなしてビビりやがって。相手はしょせん猿じゃねぇか。俺が見つけて丸焼きにしてやるよ」


「♪きんきんき〜ん金のサル〜
♪金のサル〜のキンタマは〜
♪きぃ〜んいろ〜 ひゃっひゃっひゃっひゃっ」




ザザザッ!

「うぐぅぁっぐ!」


つづく 
(C)2006 OTO

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