第1話 |
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学校に行ってれば5年生だな」 |
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「基地で水と食糧をもらったか?」 「うん」 「その中に入ってるのか?」 「うん」 「大事にしろよ。まだ真ん中過ぎたくらいだからな、あと丸一日それでもたせなきゃならん」 「…」 「お前、父ちゃんと母ちゃんは?」 「…」 |
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「死んだのか?」 「…」 「そうか」 |
「坊主も早く立派な兵隊になって父ちゃんたちの仇をとれよ。 |
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「危ないからこれかぶってろ。自分の命を大事にするのも愛国心なんだぞ。坊主みたいな子供がこれからこの国を守るんだからな」 |
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味方のブロックが完成した時、これでこの国も安全だって誰かが言っていた。 |
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「何が愛国心だ、気持ちが悪い」 | |
父さんは愛国心が無かったから死んだんだろうか? |
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「ねえ父さん、 今やりたいゲームとかある?」 「うーん、特に無いかな。最近ゲームもやってないなぁ」 「ふーん。父さんが俺くらいの時はさぁ、どんなゲームが好きだった?」 「今はゲームって言うとコンピューターゲームのことだけど、父さんのころはファミコンとかまだ無くて、ゲームっていうと人生ゲームとかそんなのだったなぁ。あと野球盤とかな。野球盤って知ってる?」 「やったことある。消える魔球とかあるやつ」 |
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「まだそんなのあるんだ。お!何だ今の?」 「カーブ。へへへ。 ねぇ、もしも、もしも何かゲームを買うとしたらどのジャンルが欲しい?アクションとかシミュレーションとか」 「うーん…RPGかなぁー。ストーリーが面白いやつ」 「ふーん。RPGかぁ。RPGもいいかなぁ」 「あ、そうかそうか」 「何?」 「もうすぐ誕生日か」 「うん。へへへ」 「またゲームかよ」 「うへへへへへ」 |
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…ああ… あ ああ… |
あああ |
なに… |
う… し、死んで… みんな… |
「にげろにげろてきがくるてきがくる」 |
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「ぼくも…」 |
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「うぐぅぁっが」 |
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つづく |
2004.2.22 |
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