謎ビョータン | 2006.9.2 |
2006年のお盆休み。 我々家族は大洗に海水浴に行き、ある民宿に2泊した。 その民宿にはおじいさんがいて、一見近寄りがたい雰囲気だったが、話してみると人の良い、話好きないいおじいさんだった。 民宿の前に四角い鳥かごをいくつも並べてすずめを飼い、二匹の大きな犬の面倒を見、今は何本かの道路の先が海になっているが、昔は民宿の目の前が断崖で、すぐ海だったことを教えてくれ、「あの埋め立てで日本が少し広くなったんだよ」と言ってあははと笑ったおじいさん。 三日目の朝、滞在を終え、トタンで囲まれたガレージに停めた車に荷物を積み込んでいるとおじいさんがやって来た。 おじいさんは黙ってガレージの奥に行き、なにやらごそごそやったあと我々のところに来て、 「はい、これをあげる」 と、アヤに何やら手渡した。 オカーが、お礼を言うように促す。 「ありがとう…」 アヤの戸惑ったような小さな声が聞こえた。 大量の荷物を積み込むのに神経を使っていた私は、それが何なのかよく見ないまま作業を続け、車を出した。 民宿を後にした車中でオカーがつぶやいた。 「これ、なんだろう?」 アヤがおじいさんにもらった物のことだ。 これ。 アヤがおじいさんにもらった物。 とりあえず持ち帰って玄関に置いてみた。 しかし。 これは何? 念のため反対向きも。 だが、反対側を見てもなにもわからない。 これは。 なに? ヒョータンに花がぶっ刺してある。 しかも口のほうじゃなくてケツのほう。 ?????わけわからん???? ちょっと淫靡な雰囲気も漂うこんな角度はいかが? 茨城では有名な物なんだろうか? 「こぉれはハナビョータンだよぉ」 とか普通に言ってるのかも。 私にはどうにもわからない。 最後に念のため。 正面から。 正面から見た謎ビョータンは、私に何かを訴えているようにも見える。 こっちが正面だって誰が決めたんだって話ですけどね。 |
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