さすらいロボ ヤスジロー  2001.3.12
第5話 ロボ、発見される。

西暦2032年7月02日 01:03:28 PM
フランク・クランクのスクラップ場。先生の部屋
「コスゲデンキはヤスジローを探してるんだろうなァ」
「そりゃそうだろーね」
「返すべきかなぁ?」
「ヤスジローは帰りたければ帰るよ。いやだからコスゲを出て来たんだろうし。ウチはあそこと取り引き無いから関係ないな」
「『いやだから』…っていうのは感情だよな」
「先生の人生って大変そうだなぁ。おっ、もうトラックが来る時間だ。仕事に行くよ。コーヒーごちそうさま」
「フランク、そのかっこうで仕事するのか?」
「どっかおかしいかな?」
「あ、いや。それは何だい?」
「スペース・ニンジャ!

サスケ!宇宙モンスターをシュートシュートシュート!」
「……」
「♪ビィム・カァタナがズバッと光りゃー♪
宇宙モーンスタまーぁぷたつぅー♪♪」
「………」

01:09:08 PM
「フランクに言われた。仕事が終わったらみんなで遊ぶから西の山で待機してろって。」
「西の山とは、どこですか?」
「オレが連れて行ってやるからついて来い」
「了解。セリザワについて行きます」
「今はデビルセリザワなのだ」

「よお、社長。今日はサスケだねっ。」
「シュートシュートシュート!」
「ガハハハハ。あんた、いつも楽しそうでいいねェ。
そういや、おたくの門の近くにきのうっから、変な車が止まってるぜ。見て来た方がいいんじゃねぇか?最近物騒だからなァ」
「悪いやつはシュートシュートシュート!」
「ガッハハハハハハ」

変な車の中。
「あっ!兄ちゃん、いたよ、ロボットが!」
「ホントかっ!貸してみろ…あーん?なんだ?あのヘンチクリンなロボットは。いや。待てよ待てよ待てっ!」
「ビンゴ?ねえ、兄ちゃん、ビンゴ?」
「そのビンゴってのやめろって言ってるだろ、うっとーしいからよぉ」「痛っ」
「見た目じゃ、ほとんど区別できないらしいからなぁ。あれがコスゲが作った…

…心を持ったロボット…

なのか?」

01:44:12 PM
コスゲデンキアメリカ支社、地下6階
「イシロー、私の声が聞こえる?」
「ああ、ママ。もちろん聞こえるよ。やっぱり僕を起こしてくれたんだね」
「あなたが必要なの。でも、私の言う事を聞いてくれないようだったら、またすぐに作動停止させるわ」
「僕はいつもママの言う通りにしてきたじゃないか」
「主任を殺せとは言わなかったわ」
「殺すなとも言わなかったよ。あいつは僕の教育係だったけど、僕はママの物になりたかったんだ。その方が楽しいんだから。ママもそうでしょ?あいつがいなくなればママも僕も楽しいと思ったんだ。でももう大丈夫。主任は殺さない。それはいけない事だってママが教えてくれたからね。今の主任は誰なの?」
「私よ」

「イシロー、主任を殺すのがいけないんじゃなくて、人間を殺すのがいけないのよ。理解して」
「何でもママの言う通りにするよ」
「他にもいくつか覚えて欲しい事があるの」
「何でもママの言う通りにするよ」

01:45:41 PM
「おっきい兄ちゃん、何て言ってた?」
「すぐ行くから見張ってろってさ。暗くなったら行動開始だ」
「わー、いよいよだね。
でも、兄ちゃん、あいつら何やってんの?」
「サスケごっこだろ」
「?」
「スペース・ニンジャ・サスケ」
「???」
「お前、小さかったからな」

第6話ロボ、狙われる。 につづく

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